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2019.12.04お知らせ

腰痛や膝痛の原因にもなる骨盤のゆがみ改善方法

こんにちは。パーソナルトレーナーの三井祐紀と申します。

現在はパーソナルトレーナーとして働いていますが、病院でリハビリを行っている「理学療法士」という資格を持っています。

膝や腰などに痛みを抱えている方々のリハビリを担当してきた経験を活かして、皆様のランニング生活がより快適なものとなるように、ブログを通じてお手伝いさせて頂きます。

今回のテーマは「腰痛や膝痛の原因にもなる骨盤のゆがみ改善方法」です。

骨盤のゆがみは、自分ではなかなか気づけません。歪んでいても違和感を感じることなく過ごしてしまっていることがほとんどです。

しかし、腰痛として認識している痛みが実は骨盤の歪みによって引き起こされていたり、膝の痛みが骨盤の歪みによって引き起こされていたりと、「骨盤の歪み」はトラブルを生じさせるきっかけとなることが多いです。

では、まずは「骨盤の歪み」というものが一体どのような状態なのか?についてお話しします。そして、そのようになってしまう原因と対策についてもお伝えしますね。

今回もよろしくお願いします!

骨盤の歪みとは?

骨盤の歪みは2種類あります。

1つは「骨と骨の継ぎ目がズレて歪んでいる状態」です。2つ目は「継ぎ目のズレはなく歪んでいるように見えるだけな状態」です。

骨盤の歪み①「骨と骨の継ぎ目がズレて歪んでいる状態」

骨盤に骨と骨の継ぎ目??と思った方もいるかもしれません。

骨盤は1つの大きな塊の骨ですが、背骨との連結部分に継ぎ目が存在します。

骨と骨の継ぎ目のことを「関節」と言いますが、背骨と骨盤の連結部分は「仙腸関節」という継ぎ目となります。(正確に言うと、骨盤の一部「腸骨」と背骨の最下方側に存在する「仙骨」という骨の境目のことです。「仙骨」と「腸骨」で構成されている関節だから「仙腸関節」と言います。)

骨盤の図

左上:正面から見た骨盤  右上:斜め前から見た骨盤

左下:斜め後ろから見た骨盤  右下:斜め後ろから見た骨盤の模式図(靭帯が付着している状態)

右下図は引用(分冊解剖学アトラスⅠ 越智淳三(訳): 分冊解剖学アトラスⅠ. 株式会社文光堂, p185, 2000)

仙腸関節の位置
図中赤線が仙腸関節の位置

「骨と骨の継ぎ目がズレて歪んでいる状態の骨盤」は、この「仙腸関節」部分がズレてしまっている状態です。

この「仙腸関節」については専門家の間でも様々な意見がありまして、一定の見解が得られていないのが実情です。今回は「仙腸関節はズレることがある」ということを前提に話を進めていきたいと思います。

ちなみに、骨盤にはもう1つの継ぎ目が存在します。

それは「恥骨結合」と言って、先ほどの骨盤の図「右下図中の数字1.2.3の部分」です。

仙腸関節でのズレとは少し性質が異なるため、今回の記事での詳細は割愛します。

もしも恥骨結合部分に痛みを感じる場合は恥骨結合炎の疑いがありますので、整形外科を受診の上、リハビリなどの対策がお勧めです。大学時代に私も患ったことがありますが、走ると結構痛いです・・・

骨盤の歪み①「仙腸関節のズレ」の傾向と対策

仙腸関節がズレる為には、実はかなりの労力が必要です。

それは何故かというと、仙腸関節はかなり強固に密着しているからです。

皆さんご存知のように、多くの関節は動きやすい性質を持っています。膝とか肩とか股関節はみんなそうですよね。このように動きやすい関節は、骨と骨が接する面の構造が滑らかで滑りやすいものになっています。

それに対して、仙腸関節はデコボコな表面形状で、骨と骨が引っ掛かるような構造をしています。あえて例えるとすると「目の粗いやすり同士をこするようなもの」です。

このように骨の構造だけでも動きづらいのですが、さらに動きづらくする工夫がなされています。先ほどお見せした画像の右下の図のように、仙腸関節は「靭帯」という強固なテーピングのようなものでがっちりと骨の周囲が囲まれているのです。

事故や傷害などの特殊な場合を除いて、この強固な仙腸関節を歪ませるためにはたゆまぬ努力が必要です(^^;
(補足:妊婦さんや産後間もない方は、出産のために靭帯が緩みやすくなっていますので、通常よりも骨盤が歪みやすい状態となってしまっています。場合によっては、出産時に骨盤が歪んでしまい、その後も歪んだ状態が続いてしまっていることもあります。また、生まれつき靭帯が緩い方もいらっしゃいますが、その場合は他の多くの関節も緩いので、仙腸関節だけが緩くなることはほとんどありません。)

では、どんな努力をすれば仙腸関節が歪んだ状態になるのかというと「間違った上半身の支え方」です。

当然やってほしくない努力なのですが、気づかぬうちに「間違った上半身の支え方」になってしまっていて、その状態で身体を支えたり、さらにはランニングを行っていると、骨盤を歪ませるためのたゆまぬ努力をしていることと同じことになってしまいます。

まず「間違った上半身の支え方」になっていないかをチェックしましょう。

骨盤の歪み①「仙腸関節のズレ」を日常的に引き起こしていないかチェック

仙腸関節をズレさせないためには「上半身の支え方=姿勢」が重要です。

普段立ち姿勢が多い方は立ち姿勢を、普段デスクワークが多い方は座り姿勢を見直しましょう。できれば両方気にかけるといいのですが、あれもこれもと頑張ることは挫折の原因です。

自分の日常姿勢の傾向を知ったら、まずは「電車に乗っている時だけ」「電車を待っているときだけ」「信号待ちの時だけ」「自宅で座っているときだけ」「歯を磨いているときだけ」「休憩時間中だけ」など、意識しやすい時を選んで実行してみてください!

良くない立ち姿勢:過度な反り腰(左端は正常な姿勢)

良くない立ち姿勢:S字増強(反り腰&猫背)と円背姿勢(左端は正常な姿勢)

良くない座り姿勢:パンダ座り(腰が丸まって猫背な座り姿勢)

骨盤の歪み①「仙腸関節のズレ」対策エクササイズ

エクササイズで対策することも大事なのですが、「仙腸関節のズレ」はそもそも「ズレさせないこと」が重要です。日常的な姿勢にも注意を向けてください。

腰の反りが強い姿勢向け仙腸関節リセットエクササイズ

方法

  • 両膝を曲げて仰向けに寝ます。
  • 片方の膝の裏を両手で抱えます。膝の角度は90°です。
  • 息を吐きながら両腕で膝を引き寄せて、腰を丸めるようにします。この時も膝は90°です(写真上段)。
  • 動きに慣れてきた方は抱えていない側の下肢を伸ばした状態で行います。伸ばした側の膝はしっかり伸ばして曲がらないように行います(写真下段)。
  • 寝る前に15回を目安に行いましょう。

腰の丸まりが強い姿勢(パンダ座りの癖がある人)向け仙腸関節リセットエクササイズ

方法

  • うつぶせに寝ます。
  • 片足の膝を外側に直角に曲げます。
  • 骨盤下のスペースを埋めるような感じで、骨盤で床を押すようにお尻に力を入れます。
  • 膝を曲げた状態にしている側の「お尻の筋肉」に力が入ることを確認します。(腰に力が入り過ぎないように、主にお尻の力で行います)
  • 片側を1日10回行いましょう。

崩れた立ち姿勢を改善する為のエクササイズ(反り腰・猫背・パンダ共通)

方法

  • 仰向けに寝て両手にタオルを持ちます(図中では棒を持っています)。
  • 肘を曲げずにバンザイをします。
  • 腰が反れて肋骨が浮き上がらないように、下腹部にしっかりと力を入れます。
  • 1日20回行いましょう。

崩れた座り姿勢を改善するエクササイズ(猫背・パンダ座り対策)

方法

  • 両手にタオルを持って、低めの台に腰掛けます(図中ではストレッチポールに座っています。図と同じくらいの高さになれば座るものは何でもOK)。
  • 背中を丸めず、かつ上半身を後ろ側へ逃がさずに、バンザイをします。
  • 座面に触れている座骨から手先までが一直線になるようにします。
  • 1日10回行いましょう。

注:座って行うことから始めるのはハードルが高いので、まずは先ほどの「寝た状態」でのエクササイズから始めましょう。

実際に正しい姿勢を毎日・毎時間保ち続けることは簡単なことではありません。

良い姿勢をキープしようと意気込んでも30分後には崩れていることがほとんどです。

でも落ち込まないでください。

大事なことはずっと良い姿勢でい続けることではなく、悪い姿勢の連続性を断ち切ることです。1時間に1回だけでも良いので、姿勢を正してみてください。

日常的に骨盤を歪ませることのないように、できる範囲でちょっとずつ気をつけてみましょう!

ここまでが「骨盤の歪み①:骨と骨の継ぎ目がズレて歪んでいる状態」のお話でした。

では、残りの「骨盤の歪み②:継ぎ目のズレはなく歪んでいるように見えるだけな状態」についてお話していきます。

骨盤の歪み②「継ぎ目のズレはなく歪んでいるように見えるだけな状態」

歪んでいるように見えるだけの状態とは、どういうことか?

それは「骨盤の形状には問題ないけど、左右の高さなどが違っている状態」です。

骨盤の形の問題ではなく、骨盤の傾きの問題です。

よく「足の長さが左右で違う」というお話を耳にしますが、これはほとんどの場合「骨盤の傾き」によるものです。

骨盤の歪み②「骨盤の傾き」の傾向と対策

骨盤の傾きの原因は、先に挙げた「骨盤の歪み①」の原因だった「上半身の支え方」も関係しているのですが、それだけではありません。

「骨盤の歪み②:骨盤の傾き」には「下肢での支え方」も大いに影響します。

特に股関節の働きと関係が深いです。股関節周りの筋肉の働きや柔軟性に左右差がある場合、骨盤の傾きが発生してしまっている可能性が高いです。

骨盤を傾かせてしまう主な原因は以下の通りです。

骨盤を傾かせてしまう日常的な原因

・日常の何気ない立ち姿勢が左右どちらかに偏っている場合

・座っているときによく足を組む場合

・座っているときによく片肘(片腕)に体重が偏っている場合

・かばんや荷物を決まった側でよく持つ場合

・左右非対称な体勢で過ごしている時間が長い場合

・痛みがあって体重をうまく乗せられない側がある場合

要するに、左右非対称な状態が長く続いたり、高頻度で左右非対称な状態になっている場合は骨盤の傾きが生じてしまっているかもしれません。

そのような過ごし方の結果、身体は以下のような状態になってしまいます。

骨盤を傾かせる刺激を日常的に受けていると体に起きてしまうこと

・立った状態でのもも上げのしやすさの左右差が大きい

・下肢の柔軟性の左右差が大きい

・片足立ちのしやすさの左右差が大きい

・上半身のねじりやすさに左右差がある

・腕の上げやすさに左右差がある

・腰の左右どちらかに痛みが生じている

・下肢の左右どちらかに関節や筋肉の痛みが生じている

多少の左右差は誰にでもありますが、顕著な左右差は改善したほうが良いです。

今現在、左右差のある運動時痛(運動した時に感じる痛み)がある場合、それは「骨盤の傾き」によって影響を受けている可能性もあります。

注意:ごく稀ではありますが、腰痛や腰周囲の痛みには重大な疾患が隠れている可能性があります。重大な疾患とは腫瘍・内臓疾患・血管疾患などです。一刻を争う病気によって腰回りに痛みを感じている場合もあるので、運動の有無に関係なく痛む場合などは整形外科などの医療機関で確認することも大事です。

骨盤の歪み②「骨盤の傾き」をチェック

鏡の前に立って骨盤の前側にある出っ張りを指で左右同じように押さえます。

指の高さが左右で異なる場合や、上から見たときに前後にズレているときは「骨盤が傾いている可能性」があります。

骨盤の傾きチェック

左:正常

右:前から見たときに指の位置が水平でない場合(右骨盤が下にズレている)

骨盤の歪み②「骨盤の傾き」対策エクササイズ

骨盤の傾き対策は、先ほど紹介した「パンダ座り対策用仙腸関節リセットエクササイズ」を行ってみましょう。

左側の骨盤が前もしくは下の場合は、画像通り「左下肢」を曲げて行います。

右側の骨盤が前もしくは下の場合は、曲げる脚を「右下肢」にして行います。

パンダ座りの癖がある方は、両側行うことと併せて、前または下へのズレが強いほうをさらに10回行うようにして、少しずつ左右差を解消できるように頑張ってください。

でも、何度も言いますが、骨盤の歪みは「姿勢を崩さないこと・崩れた姿勢を何時間も続けないこと」が重要です。姿勢改善エクササイズも行って、良い姿勢に必要な筋力や背筋の伸び感などを身につけて、崩れた姿勢が続いてしまわないように心がけましょう。

骨盤のゆがみを改善して、繰り返す痛みのトラブルから解放されましょう!

骨盤の歪みは「①:仙腸関節のズレ」と「②:見かけ上の傾き」によるものです。

いずれも日常的な不良姿勢や不良動作によって引き起こされていることがほとんどです。

気づかぬうちにズレていて、気づかぬうちに諸悪の根源になっているかもしれない「骨盤のゆがみ」を改善して、これからもずっと快適なランニング生活を継続してくださいね!

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